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モンゴル政府様

気象観測装置
海外事例

-55 度の極寒から 40 度を越すモンゴル高原の気候に対応。
わが国は、モンゴル政府の要請により、「気象情報ネットワーク改善計画」として、地方気象観測所の機材更新および通信ネットワークの改善を目的として無償資金協力(ODA)を行いました。この計画の実施により、各地の正確な気象観測データをモンゴル全土へ提供することが可能となり、より正確な気象予報ができるようになります。また、事前に的確な自然災害対策を講じることにより、モンゴルにおける自然災害の被害軽減に寄与することが期待されています。
 NEIの気象観測装置は、このモンゴルの厳しい気候条件下において、正確かつ長期間稼働が可能なシステムとして採用され、伊藤忠商事様を介して、モンゴル国内14箇所に各種気象検出器および観測処理装置を納入いたしました。また、NEIは、機器の設計製作だけではなく、現地での立会指導、ソフトコンポーネント(現地技術移譲)までの作業を担当することとなり、2004年12月現在、順調に稼動しています。

■ モンゴルの気候特性とわが国の無償資金協力
モンゴル国は、中央アジア大陸にあるアルタイ山脈の東部に位置している平均海抜1,500メートルの高原地域にあり、典型的な大陸性気候で、冬の最低気温が-50℃以下に冷え込む地域や夏の暑い時期には+40℃を超える地域があります。このような気候条件のため、夏の干ばつや冬の雪害等、気象災害に頻繁に見舞われており、牧畜業を含めた国民生活全体における損失は甚大なものとなっています。
実際にモンゴルでは、 1999年および2000年に2年連続で大規模な雪害が発生し、家畜総数約3,300万頭のうち約400万頭が死亡するなど、特に地方に住む多くの遊牧民が直接的・間接的な経済的影響を受けました。
このような気象災害の被害を最小限に抑えるためには、モンゴル全土における気象情報を正確に把握し、その情報を気象予報に活用していくことが極めて重要ですが、地方気象観測所における既存の気象観測機材の多くは旧ソ連製のものであり、老朽化が著しく、既にメーカーで生産を中止しているものもあり、スペアパーツの入手さえも困難な状況にあります。
このような状況の下、わが国政府は2002年8月モンゴル政府の要請により、「気象情報ネットワーク改善計画」として、地方気象観測所の機材更新および通信ネットワークの改善を目的とした無償資金協力を行うこととしました。
 この計画の実施により、地方における正確な気象観測データの収集および、各地方気象観測所に対するモンゴル全土の気象情報の提供が可能となります。また、より正確な気象予報が可能となり、事前に的確な自然災害対策を講じることにより、結果としてモンゴルにおける自然災害の被害軽減に寄与することが期待されています。

■ 受注の背景と現地作業

NEIは「気象情報ネットワーク改善計画」における「地方気象観測所の機材更新」のプロジェクトに関して、伊藤忠商事(株)殿よりご相談頂き、モンゴルの厳しい気候条件下において性能・精度・耐環境性等で適合した、弊社の各種気象検出器および処理装置が採用されました。
NEIでは機器の製作だけではなく、現地での立会指導、ソフトコンポーネント(現地技術移譲)までの全ての作業を担当することとなり、2004年7月より、NEI横浜事業所のサービスグループが、長期間に渡る現地工事や試験検査、技術移譲までの対応をしました。
■ 気象システムの概要
モンゴルの国内14カ所に設置される気象観測装置は、風向・風速・気温・湿度・雨量・気圧・直達日射量(および日照)を連続測定して、 WMO(世界気象機構)の規定する統計手法に乗っ取り、データロガーにより1次演算したデータを内部にメモリーします。
 この観測データは、 METEOフランスインターナショナル社が製作した通信制御用のコンピュータへ1分毎に送出し、WMOで規定するスタンダード国際通信式(GTS)に変換され、衛星通信装置(VSAT)に転送されます。
このようにして14カ所の観測局からの観測データは、衛星通信経由で首都ウランバートルにあるモンゴル気象庁(NAMHEM)に集約され、中央コンピュータ (*1)により予測・解析・処理したデータとして、14カ所の観測局へ衛星通信経由で再配信されます。

*1:衛星通信装置(V-SAT)とウランバートルの気象庁(NAMHEM)に据え付けられている中央コンピュータは「通信ネットワークの改善」のプロジェクトで(株)丸紅殿が契約され納入。


■ NEI気象システムの特徴

1. 過酷な温度等の環境条件の元で、長期間安定した完全自動計測が可能。
   (―55℃から40℃以上の温度条件と、中国から飛散してくる黄砂を考慮し た設計構造)
2. 冷雪害に対して優れた耐久性を持つ材質・構造・形状で、降雪、凍結等で
押しつぶされない十分な強度を持った支柱や検出器。
3. 各検出器は長期間のメンテナンスフリーを実現し、風向風速計は回転部分
  のグリスに南極で実績のあるシリコン系のグリスを使用。
4. 電力事情が悪いため、商用電源断を考慮した省電力で完全自動復旧する
効率の良いバックアップ電源を装備。
5. 各観測データや設定等を表示できるモニターを搭載し、操作が容易。

■ 現地設置工事と技術移譲(ソフトコンポーネント)について


伊藤忠商事(株)殿の技術者とNEIサービスマンが設計コンサルタント様の指導のもと、2004年9月時点において半数の観測局が工事完了。言葉の壁があるのではと予測していましたが全ての資料を英語と日本語で用意してあっため、特別な支障もなく、4箇所の観測局で OJTと技術移譲の説明会を実施しました。
NEIより派遣したサービス員は、取扱操作や保守説明においてモンゴル語の通訳者との連携も良く、現地の気象庁職員もとても熱心に説明を聞いて頂いたようです。細かい部分について活発な質疑応答も行なわれ、非常に高い評価を頂きました。

■ 今後の海外市場展開について

東南アジアにおける気象観測機器は欧米の製品が多く採用されているようですが、今回納入したNEI製の気象観測機器は、性能や精度だけでなく、耐久性、耐候性においても優秀であるとの評価を頂いております。
現在NEIの製品は、世界の造船市場における船舶用風向風速計や、台湾新幹線の沿線監視機器(風向風速、雨量、水位)、また東南アジアの空港設備などに多くの実績があり、今後も幅広い分野で採用されることと思われます。